【歴史】18きっぷの旅 屋久島編② 秀吉が切らせた屋久杉

屋久島・ウィルソン株(鹿児島県屋久島町)/撮影:Σ64/CC BY 3.0
こんにちは!
戸塚区柏尾町の学習塾、フィロソフィア柏尾教室総務の細川です。
前回は、屋久島にたどり着くまでの旅路、そして縄文杉までてくてくと歩いてご対面、圧倒されていろいろな想像を膨らませた、というお話でした。
縄文杉が樹齢5000年だとすると、歴史の勉強でも非常にポピュラーな、「四大文明」(メソポタミア・エジプト・インダス・中国文明)より年上か、少なくとも同世代くらいから生きてきた、というところにロマンを感じる私でした。
前回のブログ『【歴史】18きっぷの旅 屋久島編① 縄文杉は四大文明より年上?』はこちら
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縄文時代に生まれて、今までご存命ということは、弥生時代も、飛鳥時代も、鎌倉時代や戦国時代も、江戸時代も明治時代も、そして今日の令和に至るまで、気の遠くなるほど長い時間を生き抜いてきたということですから、すごいことですよね。
空襲も受けた屋久島
じつは屋久島は、太平洋戦争の終戦の年(1945年)の3月以降、記録に残るものだけでも30回もの空襲があり、23人が亡くなりました。
もちろんとても痛ましいことですし、そんな熾烈な戦乱のなかでじっと佇んで、見守ってきたわけですね。
どんなことを想って、その様子を見ていたのでしょうか。
🌲 切り株なのに超有名「ウィルソン株」
ここで、縄文杉から、別の杉に目を向けてみましょう。
じつは、縄文杉までの道中に、有名な切り株があります。
その名は、「ウィルソン株」(冒頭の写真)。
不思議な名前ですが、これは、1910年代に日本を訪れたイギリス人の植物学者、アーネスト・ヘンリー・ウィルソン博士によって詳しく調査されたことに由来しています。
切り株なのになぜこんなに有名なのか
ただの切り株、というと失礼かもしれませんが、見上げるような高さがないのに有名なのは、
・縄文杉に負けず劣らずの巨木だった
・切り株の中に入ると、「ハート」が見える
このあたりが主な理由かなと思います。

ウィルソン株の中から見上げた「ハート」(筆者撮影)
株の中に入ると、天井部分の穴が、ハートの形になっているんですね。かわいいですよね!
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そしてあともう一つ、興味深いポイントがあります。
🏯 秀吉が大仏殿の材料に使うために切らせた
先日、講師の相澤が「仏教の旅」について書きました。
疫病などで混乱した時代、仏教に救いを求めた聖武天皇が作らせたのが、奈良の大仏(東大寺の盧舎那仏像)でした。
👉『【歴史】仏教と西洋文化の交わり④ 最終回・そして日本へ』はこちら
修学旅行の行き先の中でも王道と言っていい、この奈良の大仏は有名ですよね。
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じつはお隣の京都にも、1973年まで大仏があったんですね。(残念ながら、火災で焼失してしまいました。)
秀吉が作らせた「京の大仏」
天正14年(1586年)、豊臣秀吉は、焼き討ちによって焼損した奈良の大仏に代わる大仏を京都に作ることを決めます。
巨大な大仏殿(大仏を安置する建物。奈良の大仏が入っている建物がそれです)を造るためには、大量の良質な木材が必要ですよね。
そこで、各地の大名に、「いい木を集めてこい」と命じたわけですが、その命令を受けて島津義弘(薩摩国、つまり鹿児島の大名)が伐採して秀吉に献上した結果切り株として残ったのが、他でもない、このウィルソン株と言われています。
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秀吉と屋久島の杉、というのはなかなかつながらない気がしますが、京都から屋久島はもちろんかなり離れていますし、この切り株を見るだけでも、秀吉の力がいかに強大だったかがわかるかと思います。
🧭 歴史は縦にも横にもつながっている
相澤が仏教シリーズで話したように、歴史は「水平方向」(空間軸=同時代での、地域同士の関わり)にもつながっていますし、「垂直方向」の時間軸でもつながっています。
そもそも、生命活動自体がまず、「時間が存在する、進んでいく」ことが前提ですよね。
時間が止まっていたら生きているとは言いがたいし、人生も歴史も動きません。
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秀吉と屋久島の杉をつなげて発想することはあまりないと思いますが、もちろんそのあたりの時代には、スペインの無敵艦隊がイギリスと闘ったり、シェイクスピアが『ハムレット』や『ロミオとジュリエット』を書いたり、ガリレオ・ガリレイが望遠鏡で空を覗いたり、オスマン帝国が隆盛を誇ったり、ポルトガルが新大陸(アメリカ大陸)を駆けめぐったりしていたんですよね。
そして忘れがちな視点は、歴史上の有名な人や出来事だけじゃなく、記録に残っていないような、私のような一般の人々が、それぞれの人生を生きていた、ということです。
現代、まさに今この瞬間だってそうで、自分がまったく知らないところで、まったく知らない人が、それぞれの主観や五感のなかで生きている。
私たちが見ている世界、知っている世界はほんの一部だと感じるし、だからこそいろんな人に会ったり、いろんなことを知ったりしたら、豊かになりそうな気がしませんか。
そんなことを想像すると、世界の壮大な拡がりを感じると同時に、歴史を学ぶことは今の拡がりを知ること、とも言えるんじゃないかな、と私は思っています。
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というわけで、今回は、屋久島の有名なウィルソン株が秀吉と深く関係していたことを切り株に、、、じゃなくて切り口に、歴史や、私たちのまさに「今」の世界の拡がりについてお話ししました。
勉強は覚えることが多くて、「大変だな、、、」と感じることもあると思いますが、ぜひみなさんも、たまにこんなことを想像しながら取り組んでみてくださいね。きっと楽しくなるはずです!
後日、あらためて、屋久島に関連するお話をしますね。
またお付き合いください!
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