【歴史】仏教と西洋文化の交わり① 西から東へ、仏教の旅路

ギリシア・ローマ風の仏像
こんにちは!
戸塚区柏尾町の学習塾、フィロソフィア柏尾教室講師の相澤です!
前回は横のつながりで歴史を見ることについて長々と書きましたが、今回もちょっと似たようなことを書きます。
👉前回の記事『【歴史】ちょっと細かい中学社会③ 「横のつながり」で見る歴史の面白さ』はこちら
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今回は、いつもの中学歴史より少しだけ細かい話をします。
高校範囲の内容も一部含まれますが、少し深く知ることで歴史がぐっと立体的に見えてきます。
じつは、細かく見ることで歴史は面白くなってきますよ。
高校生のみなさんもぜひ一緒に楽しんでください!
🪷 仏教はインドで生まれた
仏教は、今から約2500年前、インドで生まれました。
お釈迦さま(ゴータマ=シッダールタ)が「人はなぜ苦しむのか?」を見つめ、悟りを開いたことが始まりです。
当時のインドには「輪廻(りんね)とカルマ(業)」という考え(概念、思想)がありました。
・輪廻 :人は死んでも生まれ変わりを繰り返す、という考え。
・カルマ:その人の行いが、次の生や境遇に影響する、という考え。
仏教はこれらの考えを受け継ぎつつ、身分や出自ではなく、自分の行いと心の在り方で救いを目指すことを強く説きました。
当時は、世界中のどの地域でも、今では考えられないほど、身分や出自が人に大きな影響・制約を与えていましたから、これは画期的な考えといえます。
🌏 仏教の旅 - 西から東へ
インドで生まれた仏教は、やがて、
インド → 西アジア・中央アジア → 中国 → 朝鮮半島・日本へ広がっていきます。
ここで大事な注意ポイント
仏教は「インドから中国へ一直線に届いた」わけではありません。
途中の多様な地域を通過し、そのたびにその地域独自の言語・文化・美術と交わりながら形を変えていきました。
文系で世界史を学習した高校生なら、西域出身の僧侶の中国での活躍を覚えていますよね。
・仏図澄(ぶっとうちょう):4世紀前半、中国北部で布教・儀礼・寺院建立に尽力し、仏教基盤を整えた人物。
・鳩摩羅什(くまらじゅう):4〜5世紀、代表的な仏典漢訳の僧。『妙法蓮華経』『維摩経』『中論』などの名訳で知られます。
🏛 ガンダーラ仏の誕生
仏教の旅の途中で、ガンダーラ地方(現パキスタン北西部)が重要な交差点となりました。
この地域には、古代にギリシア系の王朝(インド・グリーク朝など)が存在し、ギリシア文化(ヘレニズム)が東へ伝わる契機になりました。
ガンダーラ仏は西洋風
その影響で、ここで作られたガンダーラ仏(仏教美術の一種)は、驚くほど「西洋的」な特徴を示します。
・波打つ髪や立体的で写実的な顔立ち(ギリシア彫刻風)
・ローマの「トガ」に似た衣の表現
・全体に“写実性”が高い造形

キャプション:古代ローマで着用された一枚布の上着「トガ」
画像出典:Wikimedia Commons(Public Domain)
異文化の出会いが新しい仏像美を生んだ好例です。
仏像は「宗教の象徴」であると同時に「文化交流の証拠」でもあります。
📚 今日のまとめ
・仏教はインドで誕生した。
・「輪廻」と「カルマ」の考えをふまえ、出自ではなく、行いと心を重んじる教えへ。
・インド→西・中央アジア→中国→朝鮮→日本の多層ルート(直行ではない)で伝わった。
・ガンダーラでは、ヘレニズム(ギリシャ)や古代ローマの影響を受けた西洋風の仏像が誕生。
仏教とギリシアという、一見すると遠いものにもこんな関わりがあるなんて、歴史は面白いものですよね!
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次回は、中国での仏教について見ていきましょう。
みなさんの想像する仏教に少しずつ近づいていきますよ!
お楽しみに!
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